記紀神話

【ざっくり記紀神話】35.第十五代 神功皇后紀①

投稿日:

※『古事記』版は記述が少なく、詳細が分かり辛い為『日本書紀』版を元としています。

※神名などの表記も、極力『日本書紀』版に合わせています。

スポンサードサーチ

【あらすじ/要約】

夫帝・仲哀天皇崩御後、69年に渡って「摂政」として政治を執り行った。
「三韓征伐」など、逸話の多い皇后。

三韓征伐

橿日宮の託宣と仲哀天皇

●仲哀天皇8年 仲哀天皇は神功皇后とともに熊襲討伐のため儺県(橿日宮=現/香椎宮)を訪れ、そこで神懸りした神功皇后から「熊襲よりも宝のある新羅赴けば戦わず手に入る」と神託と受けた。
●しかし仲哀天皇は高い丘にのぼり海を見ても、そんな国は見えないと信じなかった。神は今度は「お前はその国を得ることはできないが、お前の子がそれを成すだろう」と神託を授けたが、仲哀天皇は託宣を聞かずに熊襲征伐を行う。
●結果は熊襲に敗北し撤退。

●仲哀天皇9年 筑紫の橿日宮で突然崩御してしまう。
●皇后らはこれを神託に従わなかった為と嘆いた。遺体は武内宿禰により海路穴門を通って豊浦宮で殯された。
※『日本書紀』の一書(異説)『天書紀』では熊襲の矢が当たったと記されている。

神功皇后の熊襲/新羅征討

熊襲征討

●同じく仲哀天皇9年3月 神功皇后は齋宮(いはひのみや)に入って自ら「神主」となり、竹内宿禰が琴を弾き、中臣烏賊津使主が「審神者」となって再度神託を請うたところ、下記の神が懸かった。
●前年に託宣した神がこれらの神であることを確認し、祀った。

・伊勢の五十鈴宮に所居す撞賢木厳御魂天疎向津媛命(天照大神の荒魂とされる)
尾田の吾田節の淡郡に所居る神(稚日女尊?)
天事代虚事代玉籤入彦厳之事代神(事代主神)
住吉三神(表筒男・中筒男・底筒男神)

●しかし、ひとまずは目の前の熊襲征伐を続行することとなり吉備鴨別を派遣して熊襲を従わせた。

●3月17日、皇后自ら松峽宮(福岡県筑前町)に移動し、20日に層増岐野(そそきの)で羽白熊鷲という者を討った。そばの人に「熊鷲を取って心が安らかになった」と言われたので、そこを安(夜須)という。
●3月25日には筑後川下流域の山門県に移動して田油津媛という女酋を討ちとり、兄の夏羽は戦わずして逃げ出した。
(この女酋田油津姫は邪馬台国女王の末裔とする説もある)

●最後まで抵抗していた九州北部も大和王権の支配下になり、ここに大和王権の全国制覇が完了した。

新羅征討

●次いで、神功皇后は火前国(肥前)の松浦県・玉嶋里の小河(玉島川・佐賀県唐津市)で釣り糸を垂れ「西の財の国(新羅)を得る事が出来るなら、魚が釣れるだろう」と祈う(うけう)と、鮎が釣れた。皇后が「めずらしき物なり」とおっしゃったので、その地を梅豆邏国(めずらのくに)と名付けた。
●現在の「松浦」とは「梅豆邏」が訛った物である。

●そして船と兵を集めるも なかなか揃わなかった為、大三輪社(福岡県朝倉郡の大己貴神社)を建てて武器を奉納すると、たちまちのうち船と兵が揃った。
●この時、住吉三神から「和魂は皇后の身を守り、荒魂は船団の先導をする」と告げられた。

●皇后はちょうど臨月だったが、皇子(のちの応神天皇)を宿したまま、軍船を率いて対馬を経て朝鮮半島に至り、新羅の国を攻めた。新羅は「東に日本(ヤマト)という神の国があり、その聖王は天皇であるそうだ。きっとその国の神兵だろう。抵抗などできるはずも無い」と戦わずして降服し、朝貢を誓った。
●また、それを聞いた高句麗・百済も抵抗を諦め朝貢を誓った。

●神功皇后は渡海の際、お腹に月延石や鎮懐石と呼ばれる石を当ててさらしを巻き、冷やすことによって出産を遅らせていた。月延石は3つあったとされ、長崎県壱岐市の月讀神社、京都市西京区の月読神社、福岡県糸島市の鎮懐石八幡宮に奉納されている。

誉田別尊の誕生

●皇后は三韓平定の後帰国。筑紫の宇美で誉田別尊(=応神天皇)を出産した。
●その地には宇美八幡宮(福岡県糟屋郡宇美町)が鎮座。臍の緒と胎盤は筥崎宮(福岡市東区)に納められたと伝えられている。
●また、征討で神助があった住吉三神の託宣により、(住吉三神の)荒魂を穴門(長門)に祀った。これが長門国一宮の住吉神社である。

●神功皇后が三韓征伐の後に畿内に帰るとき、自分の皇子(応神天皇)には異母兄にあたる香坂皇子、忍熊皇子が畿内にて反乱を起こして戦いを挑んだが、神功皇后軍は武内宿禰や武振熊命の働きによりこれを平定したという。

【キーワード】

・仲哀天皇
・氣長足姫尊を=神功皇后
・三韓征伐
・神主
・審神者
・竹内宿禰
・撞賢木厳御魂天疎向津媛命(つきさかきいつくのみたま あまさかるむかひつひめのみこと)
・尾田の吾田節の淡郡に所居る神
・天事代虚事代玉籤入彦厳之事代神(あめにことしろそらにことしろたまくしいりびこいつのことしろのかみ)=事代主神
・住吉三神(表筒男・中筒男・底筒男神)
・新羅/高句麗/百済
・大三輪社=大己貴神社
・誉田別尊=応神天皇
・宇美八幡宮
・筥崎宮
・住吉神社

-記紀神話

Copyright© 浮世探訪記 , 2021 All Rights Reserved.