記紀神話

【ざっくり記紀神話】28.第十代 崇神天皇紀①

投稿日:

※『古事記』版は記述が少なく、詳細が分かり辛い為『日本書紀』版を元としています。

※神名などの表記も、極力『日本書紀』版に合わせています。

スポンサードサーチ

【あらすじ/要約】

疫病の流行と祭祀

●即位3年、第十代崇神天皇は、師木の水垣宮(みずがきのみや)に都を移す。
●即位4年、詔を発して万世一系を謳う。

●即位5年、疫病が大流行。多くの民が路頭に迷うようになり、反乱も起き始める。
●崇神天皇は祭祀で疫病を治めようと日夜を問わず神々に祈り続け、翌年には天照大神倭大国魂神(やまとのおおくにたまのかみ=日本大国魂神)を「共に住みたまふに安からず」と宮中の外に出すことにした。

●天照大神は豊鍬入姫命(とよすきいりびめのみこと)に託して笠縫邑(かさぬいのむら 檜原神社?)に祀り、磯堅城の神籬(立派な神の依代)を立てた。
●倭大国魂神は渟名城入媛命(ぬなきいりびめのみこと)に託し長岡岬に祀らせたが、渟名城入媛の髪は抜け落ち、身体も痩せ細ってしまい祀ることが出来なかった。

天照大神  ⇨ 笠縫邑 にて豊鍬入姫命に祀らせる
倭大国魂神 ⇨ 長岡岬 にて渟名城入媛命に祀らせる ⇨衰弱してしまう

※「天照大神を笠縫邑に祀った」というのは「八咫鏡が皇居から移された」という意味に考えられている。
※「宝鏡奉斎の神勅」以降、常に天皇の側にて祀られていたが、この後は皇居の外で祀られることになる。
※理由としては、「天皇が神威を畏れた」「神器の尊貴性を保つこと」が目的とされ、これが垂仁天皇の伊勢神宮創始に繋がる。

大神神社と大和神社

●即位7年になっても、疫病はやまなかった。
●崇神天皇は「これまで、歴代の天皇の世はずっと栄えていたのに、私の世になると災害続きだ。その原因を亀卜にて見極めよう」と詔し、八百万の神を集めて占った。

●すると倭迹迹日百襲姫命(第七代/孝霊天皇の皇女)に三輪山の大物主神が懸かり、自分を祀るよう告げた。
●崇神天皇は大物主神を祀ったが霊験はなく、状況は好転しなかった。

●天皇は沐浴斎戒して宮殿を中を清め、「どうか夢にて助言を頂けないか」と祈った。
●するとその夜の夢に自ら大物主神が現れ「我が子の大田田根子に私を祀らせれば国は治り、外国も帰服するだろう」と告げた。
●さらには倭迹速神浅茅原目妙姫(やまととはやかむあさじはらまくわしひめ=倭迹迹日百襲姫命の別名?)・大水口宿禰伊勢麻績君の三人にも、「大物主神を大田田根子に、倭大国魂神を市磯長尾市に祀らせれば、天下は太平となる」という夢告があった。

【大物主神の夢告】
・大物主神 ⇨ 大田田根子 に祀らせよ(大神神社)
・倭大国魂神 ⇨ 市磯長尾市 に祀らせよ(大和神社)

●自分の夢との符号を喜んだ崇神天皇は、大田田根子を探し出させ、出自をたずねると大物主神(と、活玉依媛)の子であるという。こうして大田田根子を大物主神を祀る神主となった。(大神神社)
●また、市磯長尾市も倭大国魂神を祀る神主となった。(大和神社の創始伝承)

●また、八十万(やそよろず)の神々を祀り、天社・国社神地・神戸を定めると、疫病は終息し国は平穏を取り戻した。

崇神=神祇を崇て重めたまふ天皇

●この一連の伝承は、「崇神」という名を送られた、天皇の象徴的なエピソードであり、政治や社会の安定に祭祀が不可欠であることを伝えている。

●天社と国社の制度の整備・土地と人民の配置は神社をめぐる制度の始まりであり、神社と皇室や国家との古代からの不可分は関係性を示している。

箸墓古墳 倭迹迹日百襲姫命と大物主神の後日談

●その後、倭迹迹日百襲姫命は大物主神の妻となった。

●しかし大物主神は夜しか通ってこなかったので、倭迹迹日百襲姫命が「昼の美しいお姿を見せて下さい」というと、大物主神は「明日櫛の箱の中にいる。だが私の姿を見ても驚かないように」と答えた。
●翌朝、櫛の箱を開けるとその中には小さな蛇が入っていた為、姫は驚いて声をあげてしまった。

●神が恥をかかされたと怒って三輪山に帰ってしまい落胆してその場に座ると、箸が下腹部に刺さって姫は亡くなってしまった。
●姫は大市(奈良県桜井市)に墓が作られそこに埋葬されたが、この墓を箸墓といい、昼は人が、夜は神が作ったといわれる。

※『古事記』では意富多多泥古命(おおたたねこ)と活玉依毘売の話とされている。

【キーワード】

・天照大神
・笠縫邑
・豊鍬入姫命
・倭大国魂神 = 大国主神?
・長岡岬
・渟名城入媛命
・倭迹迹日百襲姫命
・大物主神
・大田田根子
・市磯長尾市
・活玉依媛
・大神神社
・大和神社
・天社と国社
・神地と神戸
・箸墓古墳  ※最古の前方後円墳

-記紀神話

Copyright© 浮世探訪記 , 2021 All Rights Reserved.