記紀神話

【ざっくり記紀神話】11.大国主神 と稲羽の素兎

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※あらすじは、『古事記』版を元としています。

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【あらすじ/要約】

大穴牟遅神(おおなむじのかみ=大国主神)には沢山の兄弟神(=八十神 やそがみ)がいたにも関わらず、彼らは国を大穴牟遅神に国を譲った。それは以下のようなことがあったからだと言われている。

大穴牟遅神(=大国主神)のアドバイス

●八十神は、それぞれに稲羽(いなば)の八上比売(やがみひめ)に求婚したいと思い、稲羽に出掛けた。
 その際、大穴牟遅神に袋に入れた荷物を持たせ、従者のように引き連れて行った。

●気多(けた)の崎に来たとき、赤裸にされた兎が伏せっていた。兎は、八十神に「海の潮をたっぷりと浴びて、山の上で強い風と日光浴びていれば治るだろう」と助言を受け、言われた通りに伏せていたが、潮が乾くにつれ、風が吹くたびに体中の皮がことごとくひび割れてしまった。

●痛みに苦しんで泣いていると、最後に現れた大穴牟遅神に「なぜ泣いているのか」とたずねられたので、兎はこう答えた。

●「私は隠岐の島に住んでおり、そこからこの地に渡ろうと思ったのですが、渡る手段がありませんでした。そこで、鮫(和邇/わに)を欺いて、『私とあなたたち、どちらがの一族が多いか比べてみましょう。できるだけ同族を呼び集め、この島から気多の崎まで並んで見てください。私がその上を走りながら数えましょう』と提案した。

●だまされた鮫たちはその通りに並んだので、私はその上を数えるふりをしながら渡って来ましたが、いよいよ陸地に着こうとするときに、私は『だまされたな』と呟いてしまいました。するとたちまち最後に並んでいた鮫に捕えられ、すっかり毛を剥がされてしまいました。
 それで泣いていたところ、先に行ったあなたの兄たちに『海の潮を浴びて、風に当たっていなさい』と教えられたので、教わった通りにしたところ、私の体がすっかりと傷ついてしまいました」といった。

●そこで、大穴牟遅神が兎に「今すぐ河口へ行き真水で体をよく洗い、その川岸に生えている蒲(がま)の花粉を蒔き散らして、その上に寝転がりなさい。そうすれば膚は元に戻って治るだろう」と教えた。
 兎が教えられた通りにすると、元の体に戻った。

●これが、稲羽の素兎(しろうさぎ)で、今は兎神という。

兎の予言

●兎は「八十神は八上比売を絶対に得ることは出来ないでしょう。あなたは大きな袋を背負っていらっしゃるが、きっと八上比売と結婚なさるでしょう」と大穴牟遅神に言った。

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